#SOSsumatra スマトラ島の森林保護と再野生化への道
西トバの森林の再野生化を目指して
2022年6月、ラッシュでは野生動物の憩いの地であるインドネシア・スマトラ島の西トバの認知を上げるために、イギリスを拠点に活動する森林保護団体「Sumatran Orangutan Society (SOS)」を支援し、その地域コミュニティがこの素晴らしい熱帯雨林を守るためのキャンペーンを行いました。
2018年、ラッシュはスマトラのオランウータン生息域をマップ化するSOSの調査へ資金援助を行いました。この調査によってスマトラ島の西トバは、スマトラオランウータン、スマトラトラ、テナガザル、サイチョウ、マレーグマを含む絶滅危機にある大型動物の保全にとって重要なスマトラ熱帯雨林の一地域として特定されました。そこには、この生物多様性のホットスポットに生きるオランウータンやその他の野生動物の生息地を森林との境目に住むコミュニティをつなぐ、森の回廊があります。前線で活動するパートナーであるSOSとラッシュは、この重要な生態系を守るための保全活動を支援しています。
ゴール
・オランウータンと他の絶滅に瀕する大型動物相のつながりを取り戻すため、森林同士をつなぐ野生動物の回廊を保全し、動物たちの未来を守ること。
・西トバの森林との境目に住むコミュニティに、真に持続可能な発展の種を蒔くために必要なツールを提供すること。
この活動を支援するために、限定バスボム『オランウータン ボム』を発売いたしました。
『オランウータン ボム』でバスルームからスマトラの熱帯雨林へ
このバスボムに使用しているダークパチュリオイルは、リジェネラティブな手法を用いてスマトラで生産され、魅惑的で落ち着く香りを作り上げています。
それぞれのバスボムの中には、お風呂に入る人が「オランウータンの棲みかである、スマトラの森林の音に包まれる体験」にいざなうチケットが入っています。チケットに記載されたQRコードから、録音されたサウンドスケープをダウンロードし、西トバの森の奥深くとつながることができます。このサウンドスケープには、森の野生動物の音も入っています。テナガザルの鳴き声、サルのおしゃべり、鳥の歌声、それに素晴らしいオランウータンのロングコール。聴く人は森の音に包まれ、生命の息づくジャングルにいざなわれます。
資金の使い道
消費税を除く売上げは、森林保全活動を支援するために使われる予定です。小規模農家にオランウータンにやさしい農業技術を教えるための資金となり、地域社会がアグロフォレストリーや再生技術を使って数千本の木を植え、木が成長できるように支援します。木は成長し、非木材製品を提供することで、生態系を破壊したり野生動物を脅かすことなく、地域住民が収入を得ることができるようになります。
スマトラの熱帯雨林は、オランウータンにも私たちにも必要な森なのです。
#SOSsumatra 過去に実施したキャンペーン
過去実施の
2019
スマトラ島に生存する絶滅危惧オランウータンの数の象徴として14,600個のチャリティ商品「オランウータンソープ」と「スマトラ シャンプーバー」を販売しました。2018年のキャンペーンに続き再度、50ヘクタールのパーム油プランテーションを購入し、パーマカルチャーを通して原生林に再生するための活動に使われています。
2018
パーム油不使用の「スマトラ シャンプーバー」を販売しました。それにより£161,552(約2,261万円)を寄付することができ、スマトラ島でパーム油のプランテーションに使われていた50ヘクタール(東京ドーム約10個分)の土地を購入し2017年に購入した50ヘクタールの土地も含め、生態系を徐々に拡大し、動植物の生息環境を再生し拡大させていくために活用しています。
2017
スマトラ島に生存する絶滅危惧オランウータンの数の象徴として14,600個のチャリティ商品「オランウータンソープ」をイギリスをはじめとするヨーロッパ各国で販売しました。その売上げの全額(消費税を除く)である£123,014(約1,890万円)がパートナー団体SOSに寄付され、スマトラ島の50ヘクタールのパーム油プランテーションを購入し、パーマカルチャーを通して原生林に再生するための活動に使われています。
パーム油に奪われた命を取り戻すのは、 誰かじゃなくて私だった
2019年1月24日に開催されたトークイベント「オランウータンからのSOSに応える5つの⽅法」の模様をお届けします。
インドネシアの森や動物の命を奪っているのが、私たちの⽇常⽣活に欠かせない⾷品や⽇⽤品だったとは。
インドネシアの森や動物の命を奪っているのが、私たちの⽇常⽣活に欠かせない⾷品や⽇⽤品だったとは。東南アジアの島国で今まさに起きている凄惨な現場を救うのは、研究者や活動家だけでなく、私たち⾃⾝が起こす⾝近なアクションなのかもしれません。
→詳細はこちら
バイヤーに聞く、世界を変える原材料の調達
2018
バイヤーに聞く、世界を変える原材料の調達
ラッシュのバイヤーは、原材料の購買を通して環境、経済、そして社会的な面で生産国や地域コミュニティに与える影響を考えています。現地のコミュニティと強固な関係を築き、維持していくことで、持続可能かつ透明性のある高品質な原材料の調達を実現していくのです。
エシカルなサプライチェーンを作り出すため、ラッシュは合計390万ポンド (約5億8,500万円※)を助成し、環境に配慮した農業支援に取り組んできました。
かつては2017年11月にヨーロッパ各国のラッシュが実施した「#SOSsumatraキャンペーン」も、この取り組みのひとつです。#SOSsumatraは、スマトラのオランウータンや彼らが生息する熱帯雨林の保護活動をするSumatran Orangutan Society (SOS)と一緒に行っています。
イギリスのラッシュでバイヤーとして働くキャディ・ピンクは、世界中でラッシュが各パートナーと展開している再生プロジェクトに携わる原材料の調達を担当しています。
キャディは現地コミュニティとの関係を築きつつ、各地で環境に配慮した生活を実現する提案を行っています。彼女はいつも世界中を飛び回っていますが、今回バイヤーの仕事についてインタビューをする機会を得ました。
※1ポンド=150円換算
スマトラでは、森林破壊を助⻑するパーム油の原料であるアブラヤシを単一栽培するプランテーションが問題になっています。これにより、スマトラオランウータンといったスマトラの森に住む野生生物が、絶滅寸前まで減少していることが、国際的な問題となっています。私たちはこの問題に着目しました。そこで、2014年からスマトラ島の森林保護とオランウータンを守る活動をしているSumatran Orangutan Society(SOS)とオランウータン情報センターと解決に向けて話し合い、一つの大きなミッションを掲げることにしたのです。それがキャンペーン限定のチャリティ商品「オランウータン ソープ」です。この商品の売上げで、スマトラにある50ヘクタールの土地を買取り、森に再生させるというプロジェクトが2017年の11月に一度始まりました。
もし、エシカルな商品の生産が世界中で実現したら、地球全体の気候変動は軌道修正され、自然環境の再生を促すひとつの大きな力になるでしょう。私たちを含めた消費者が今抱えている問題の活路は、バイヤーたちの手に委ねられているのです。実現すれば、かなり大きなインパクトを社会に与えることができると思います。
学生時代、イギリスのエクセターにあるラッシュのショップで働いていました。大学院では持続可能な開発と気候変動について勉強していたので、卒業後は関連した仕事をしたいと考えていたんです。あるとき、私は課題でラッシュの購買活動がパーマカルチャーを通して、ガーナのカカオ農家にどのような影響をもたらしたのかについて研究を行いました。そんな私の元にSLush Fund のコーディネーターとしてのオファーがあり、ラッシュの原材料を生産するコミュニティとパートナーシップを築く仕事を担当しました。現在SLush Fundは年々大きく成⻑し続けていて、生産者に慣行農業の代わりとなる農法を提案する活動を行っています。
ラッシュにとって購買活動はすごく特別です。私たちバイヤーの仕事は、世界に新しいスタンダードを示す「窓」を提供することなのです。購入する原材料には、アート感覚や政治性、カルチャーを感じずにはいられません。
この仕事は、自分がこの広い世界と繋がっているんだということを教えてくれますね。行く先々で、ニュースで取り上げられるような環境問題を目の当たりにするのはとても心が痛むことです。つまり、地球を良い方向に導くためのポジティブでサステナブルな活動の現場がそこにあるのです。
私たちは、サプライチェーンに100%ポジティブな影響をもたらす、という巨大な任務に挑んでいます。現在は環境に悪影響を与えているような場所を、原材料の調達によって再生させるという過程は、終わりの見えないミッションです。環境破壊が刻々と進んでいる地球には、未来についてじっくりと考える時間はありません。今すぐ実行しなければ意味がないのです。ラッシュでは、スマトラに残り14.600頭しか生存しないオランウータンを守るプロジェクトを支援しています。#SOSsumatraキャンペーンをサポートするには「Sumatran Orangutan Society」こちらを参照ください。
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