シアバタの恩恵ー
シアバターは栄養分を豊富に含むだけでなく、お肌になじみやすいため、非常に重宝されている原材料です。
シアバターはカリテの木の実から抽出されたアイボリー色の脂肪分です。 ビタミンAとオレイン酸がたっぷり含まれて、ハリのあるお肌の維持に効果的なので、保湿クリームやローションによく使われています。 ガーナのボルガタンガ地方から取り寄せられるラッシュの商品に使うシアバターは、ハンド&ボディローション『チャリティポット』、『チャリティポットコイン』、マッサージバー『華』、ボディコンディショナー『ロウィーナ・バード』、保湿クリーム『インペリアル』、ボディバター『バフィー(恋する十字架)』などに配合されています。
クレオパトラの時代には貴重な産物であったシアバターは、栄養分を豊富に含んでいるだけでなく、お肌になじみやすいため、今現在でも重宝されている原材料です。 また、UVBからお肌を保護する働きがあると言われています。
ラッシュのシアバターの原材料となるシアナッツは、ガーナのオジョバ女性協同組合(Ojoba Women’s Shea Butter Cooperative)が昔ながらの手法で加工しています。 シアナッツは樫に似た、この地域の乾燥した環境で自生するカリテの木になる実です。栽培することは簡単ではありませんが、シアナッツは豊かな脂肪分や保湿成分でその名を知られています。
シアナッツをシアバターに加工するには、肉厚な殻の中から種子を取り出し、沸騰したお湯で煮込んでからアフリカの灼熱の太陽の下で日干しして保存します。 シアナッツを取り出して洗う過程はすべて手作業で行われ、シアバターの品質を損なう可能性のある黑くなったナッツは取り除かれます。 しっかり手で洗われたナッツは、平たい石の上で再度日干しされ、その後、屋内で簡単な装置を使ってナッツを粉砕し、粗い粒状にします。 これによりナッツの中身がさらに露出され、小粒になったナッツをたき火で煎ると、プラリネ状になり加工がしやすくなります。 焙煎されたナッツを冷ましてから別の簡単な装置で加工すると、溶けたチョコレートのようになめらかなペースト状になります。
この大鍋に入ったペーストを女性たちが手際よく手で泡立てるように練り、脂肪分を浮き上がらせてペーストから分離させます。鍋の表面上にシアバターが形成されているので、その部分だけを手際よくすくい取った後、余分な水分を蒸発させるためにもう一度加熱します。 これを冷ますとなめらかでピュアなシアバターの出来上がり。イギリスやカナダのラッシュへの出荷の時がくると、女性担当者は100トンの出荷品を積み込むために、すべてのカートンを収集します。
ここで働く女性たちは定期的な仕事からの収入に頼れるので、1年中きちんと生計を立てることができます。 これにより、農業の季節後に新たな収入源を求めてやむを得ず住んでいる地域を離れ、子どもと離ればなれになってしまうという状況がなくなりました。 定期的に仕事をすることで、女性たちは自分に対する自信を確立することができ、夫からの尊敬も得る結果となりました。 実質的な面では、子どもの健康保険料や学費を支払うことができるようになり、識字教室に通うことができたり、事業を立ち上げるための資金をマイクロファイナンスから借り入れる手続きもできるようになりました。 今年は、識字教室で上成績をおさめた2人の若い女性が看護士専門大学に行くことになりました。
それだけでなく、ラッシュはスラッシュ・ファンド(SLushFund)を通じて、女性協同組合とともにこの地域に図書館を設立するための共同出資を行いました。この図書館は、彼女たちがコミュニティのために作りたいと、自分たちで決めたことです。この地域で最大規模の図書館をオープンさせるため、シアバター生産から得た利益をできるだけこの図書館に投資することも皆で決めました。図書館へのコミュニティの期待は大変なもので、この地域をさらに改善するという意欲を物語っています。これは、学習を通して、母国に新しいスキルをもたらし、子どもたちに夢を与えるという彼女たちの大志の象徴となりました。
スラッシュ・ファンド(SLushFund)は、彼女たちが自分たちの土地に新しいカリテの木を育て、シアナッツの収穫量を増やすことができるよう、カリテの苗園の建設を支援しています。
Written in 2016
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