フェアトレードに関するラッシュの立場と独自のフェアトレードシステムとは?
フェアトレードとは
1995年のラッシュ創立時、ロンドンの大通りやスーパーマーケットで売られていた商品は、どこから原材料を仕入れ、誰が作ったのかなど知るよしもないものばかりでした。多くの人は、児童労働、劣悪な労働環境、貧困がその商品の後ろにあるのでないかと問題視していました。このような懸念を受けて、世界各地の団体がコーヒーなどの直接取引を始めました。これにより、生産者は適正な対価を得ることができ、消費者は購入する時に良い選択をしていると自信を持てるようになったのです。こういった団体の設立は次第に世界的な動向となり、「フェアトレード」という概念が生まれました。フェアトレードとは、社会から疎外された小規模生産者の生活に配慮して取引を行い、長期的な関係を維持し、発展途上国の小規模農家がグローバル経済の中でも競争して成功できるようにすることです。
「フェアトレード」の概念は、公正な労働条件や商品の適正な価格を保証する、さまざまな企業によって形式化されています。原材料のフェアトレード最低価格を保証し、生産者にフェアトレードプレミアムを支払うというシステムです。フェアトレードは、認証を取得した生産者のための安定した市場を創出します。その代償として、生産者は環境に配慮した生産に取り組み、公正な労働条件を守り、コミュニティに利益を還元することに同意します。 この仕組みは、適正な価格だけでなく、透明性や信頼の上に成り立っているのです。
生産者がフェアトレード認証を取得するための認証機関がいくつかあります。 最も良く知られているのは、国際フェアトレードラベル機構(FLO)で、緑と青の国際フェアトレード認証ラベルを付与し、Fair Trade(2つの単語)とは異なる「Fairtrade(1つの単語)」の登録商標を所有しています。その他にも、フェアトレード・フェデレーション(FTF)や、「Fair For Life」というフェアトレード認証を発行するIMO(Institute for Marketecology)のような認証機関があります。
ラッシュとフェアトレードについて
ブランド創立以来、私たちは一貫して調達改善を行い、可能な限り生産者との直接的な関係を築いてきました。それは、サプライヤーの労働条件が公正なものであり、私たちの価格が適正であることに全幅の信頼を置くためです。多くの原材料に対して、フェアトレードを貫くことができたことを本当に誇りに思っています。直接取引は、公平な貿易を実現する素晴らしい方法です。
私たちの生産者が劣悪な労働環境下で、不当な賃金で働かされるというのは理不尽です。
監査を行う認証機関は、適切な生産者を見つけ、彼らが不当な扱いを受けていないことを消費者に証明することを可能にしてくれます。一方ラッシュでは、認証機関が対象としない原材料も数多く扱っています。 これらの原材料は、フェアトレードの対象地域ではない国の産物であったり、あるいは少量生産のためフェアトレードの条件に当てはまらないものです。しかし、これらすべての原材料においても、ラッシュでは生産者と密に関わり、生産工程や品質を理解した上で、責任をもって調達しています。 これは簡単なことではありません。非常に手間がかかるプロセスです。 そして、継続的に取り組んでいくべきプロセスでもあります。私たちは、生産者との信頼のおける関係をこれからも強化していきます。 ラッシュ製品のサプライチェーンが認証を受け、そのラベルを表示するのは良いことです。しかし私たちは、私たち自身でしっかりとすべてを確かめたいのです。 あえて認証を取得しない生産者もいます。認証機関が定めた基準による体制を採用していなかったり、申請料を払いたくないからなど、さまざまな理由が考えられます。 生産者のニーズに合った認証でなければなりません。私たちは、信頼のおける関係を築いているので、生産者に認証取得を強制することはありません。
認証について
フェアトレード認証マークを製品に貼付するには、1つの認証機関からライセンスを取得する必要があります。 認証機関によって、製品に使用された原材料の割合などに関する基準が異なります。 同じ認証機関の認証を受けた原材料しか製品に使用できない場合もあります。 ラッシュの場合、各製品にさまざまな原材料が入っているため、ほとんどの最終製品にはフェアトレード認証マークを貼付することができません。ですが原材料の量に関する表示を見れば、どれが認証を受けたものなのかわかるようになっています。 「Fairtrade」は国際フェアトレードラベル機構(FLO)の登録商標なので、ラッシュでは最終製品の原材料にFLO認証と表記することしかできません。 その他の製品では、認証機関による認証を受けた原材料は、フェアトレード認証と表記されています。 フェアトレード認証ラベルの貼付は、お茶やココアなどの食品から始まりました。 化粧品への貼付は比較的新しく、化粧品のフェアトレード認証ラベルを承認していない国もまだ多くあるため、異なるラベル表示を用いる必要があります。
今後について
ラッシュの今後の目標は、今まで培ってきた信頼関係を強化し、使用しているすべての原材料において、新しくより良い関係を発展させていくことです。それにより、動物実験反対ポリシーを貫くと同時に、児童労働をなくし、公正な賃金、持続可能な環境、良い労働条件を確立していきます。 そのためには、認証機関の力を借りるときもあれば、生産者と協力し合うときもあります。 ラッシュは、直接取引、相互尊重コミュニケーション、定期訪問を通じて、生産者との強固なパートナーシップを育んできました。その結果、適正かつ公平な価格と労働条件を確実にしているのです。 私たちは、より良い社会を築くために努力を惜しみません。 まだまだ課題は多く残っています。 私たちにとって、この揺るぎない信念こそがフェアトレードの概念を体現するものであり、唯一のビジネス手段であります。最高の原材料を使って、効果的でフレッシュなハンドメイドコスメを作ること。それがラッシュの信念であり、これからも、新鮮な原材料のために公正で倫理的な調達を行っていきます。
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