
納税ポリシー

A letter from hilary
給料袋からお金が消えていくのを目の当たりにすることに対する一般的な嫌悪感と、地方自治体や中央政府が提供するサービスの質に対する不満が相まって、「税金」という言葉はすっかり汚い言葉と化し、私たちは税金が否定的な文脈でのみ語られることに慣れてしまいました。
でも、税金は本当に悪いものなのでしょうか?
税金を共通の敵とみなす風潮が、一部の企業に対して、自社のビジネス構造や会計基準を操作して税金を回避してもよいという誤った認識を与えています。しかし、こうした考え方は単に自己中心的なだけでなく、非常に視野が狭いものです。なぜなら、税金こそが私たちの社会のインフラを支え、手入れの行き届いた清潔で明るく灯されたストリートにある私たちのショップで、健康で元気なカスタマーを迎えることを可能にしているからです。
私たちは市民として、教育、医療、福祉といった社会基盤が不可欠であり、それらを共同のお財布から支払う必要があることを理解しています。そして、社会の一員として給与から税金が天引きされ、納税を避けることはできない一方で、納税の責任を回避する企業には強い不満を抱いています。
ラッシュでは、ビジネスを展開する全ての国や地域で、公正な税金を支払うべきだと信じています。各国で利用可能な、正当な事業税の仕組みや優遇措置は活用しますが、税法の本来の目的を超えてルールを拡大解釈したり、抜け穴を探したりすることは決してありません。
ラッシュは、私たちのお客様が安全な生活環境下で、質の高い教育と効率的な医療サービスを受けられることを願っています。そして、そのためには税金が必要だということを理解しています。企業として、良い雇用主であること、サプライヤーと公正な取引を行うこと、そして共同のお財布に税金を納めることによって、ビジネスを展開する社会に貢献すべきだと考えています。
私たちは納税の義務を認識しながら、同時に政府がその税金をどのように使うかについて意見を述べる権利も持っていると考えています。今後も様々な問題について公にキャンペーンを行い、より優しく、より公正な社会を求め続けます。そうすることで、私たち全員が誇りを持って納税でき、社会に暮らす全ての人々を平等に支えることができるようなシステムを築くことができるのです。
エシックス・ディレクター ヒラリー・ジョーンズ
2013年12月13日
ラッシュでは、私たちの商品と倫理観に誇りを持っています。「A Lush Life ラッシュの信念」というステートメントに加えて、私たちは従業員、お客様、サプライヤーが私たちの企業構造と納税に対するコミットメントを明確に理解できるように、納税ポリシーを策定しました。
A LUSH LIFE – ラッシュの信念
- 私たちは、フレッシュでオーガニックなフルーツや野菜、高品質のエッセンシャルオイル、そして安全性の確認された合成物質から効果的な商品を作ることを信じています。
- 私たちは、動物実験をしていないことを確認できた会社からのみ、原材料や資材を買い付け、またその安全性は人間の肌の上で確認することが重要であると信じています。
- 私たちは、自社で商品と香りを開発しています。 私たちは、フレッシュにこだわり、ハンドメイドで製造します。 合成保存料やパッケージは、可能な限り使用せず、使用する場合も最小限にとどめます。原材料は全てベジタリアン対応のもののみを使い、商品そのものに製造年月日を明記しています。
- 私たちは、ハッピーな人がハッピーなソープを作ることを信じています。 そして、私たちの商品に記された作り手の顔が、お母さんを誇らしい気分にさせると信じています。
- 私たちは、キャンドルを灯しながらお風呂でくつろぎ、シャワーを誰かと一緒に浴びたり、マッサージをしたり、心地よい香りで世界をいっぱいにすることと同時に、たとえ失敗して全てを失ったとしても、再びやり直す権利があると信じています。
- 私たちは、商品が価値あるものであると信じています。そして適正な利益を得ること、常にお客様の価値観を尊重することを大切にしています。
- 私たちは、誰もが世界を自由に行き来し、その自由を楽しむべきであると信じています。
- 私たちはまた、fresh/フレッシュ、organic/オーガニックという言葉が、単なるマーケティングの領域を超えて、実際に「新鮮」であり、「有機」であるという本来の言葉のもつ意味を信じています。
タックスステートメント
私たちは、ビジネスを展開する全ての地域において、法律および関連規制に従って納税するだけでなく、たとえ合法であっても本質的に疑わしい税制を利用するために複雑な税の抜け穴を使用しないことを信じています。また、各国で正当な税額を支払い、どの国においても過剰な納税をすべきではないと信じています。
- 私たちは、納税を期限内に行うことを基本とし、それが不可能な場合には、現地の税務当局と事前に支払い計画に合意すべきだと信じています。例えば、自然災害や予期せぬ緊急事態、または私たちの管理外で発生するその他の出来事によって財政的影響が生じる場合がこれに該当します。
- 私たちは、取引や関係が予期しない税務上の不利な結果をもたらさないよう、専門的な注意と判断をもって状況やプロジェクトを評価し、決定を下すことを信じています。
- 私たちは、不注意による誤りを発見した場合、速やかに修正し、税務当局に対して完全に開示するべきだと信じています。
- 私たちは、税務の透明性を確保するために、商品開発、製造、販売を行う各グループ会社間の価格設定が透明で公正であり、基準に従って適切に文書化されるよう、明確な移転価格ポリシーを持つべきだと信じています。また、私たちはこのポリシーを定期的に更新することを目指しています。
- 私たちは、税務当局とオープンかつ誠実に関わり、可能な限り迅速に特定の不確実性や問題について話し合うべきだと信じています。
- 私たちは、税務回避を目的とした税務計画やタックスヘイブンの利用を行わず、お客様にサービスを提供し、私たちの価値観を体現し、従業員を大切にし、利益を生み出すことを目的に、できるだけシンプルな方法でビジネスを展開することを信じています。
- 私たちは、グループ全体の税率は各国の納税額の合計として決定されるものであり、特定の目標とすべきではないと信じています。
- 私たちは、現地法人がビジネスを展開するそれぞれの国や地域で適切な法定控除を申請すべきであり、販売促進目的や不当な租税回避スキームを使用すべきではないと信じています。
- 私たちは、ファイナンスチームが適切な税務判断を下すための指針を提供することを信じています。 (詳細は下記の基準を参照)
- 私たちは、税額控除の可否が、寄付を検討する際の決定要因となるべきではないと信じています。
1. 透明性ある開示
税務当局との全ての取引において、オープンさ、誠実さ、透明性は最も重要であり、私たちは税務に関する透明性を向上させるための取り組みを支持します。
2014年から、事業を展開している国々で発生した税金の国別内訳とともに、一部の主要な財務情報を財務諸表に含め、透明性を向上させ、UKの連結年次報告書の読者が結果と実効税率を理解できるようにしました。そして、他の企業にも同様の取り組みを促すことを期待しています。
私たちは、税務に関するオープンで透明性のあるアプローチが評価され、多国籍企業として初めてフェアタックスマークを受賞したことを非常に誇りに思っています。これは、税務に対して真摯に努力する企業に与えられるものです。フェアタックスマークの共同創設者であるリチャード・マーフィー氏は、2015年2月のマーク授与の際に「小売業界の多国籍企業にとって、これは本当に画期的なこと」だと述べています。
2. 明確な責任
グループファイナンス・ファンクション
ラッシュの納税ポリシーの承認、発行、およびコミュニケーションの責任は、マーク・コンスタンティンおよび取締役会に代わり、グループファイナンス・ファンクションとラッシュのエシックス・ディレクターであるヒラリー・ジョーンズが担います。
ラッシュの納税ポリシーのコピーは、全ての従業員に公開されており、ラッシュのエシックスやグリーンポリシー、その他のポリシーとともにWeAre.Lush.comのサイトで閲覧可能です。
グループファイナンスは、各国のファイナンスディレクター(FD)と連携し、移転価格ポリシーの策定、文書化、および適切な実施に責任を持ちます。このポリシーは、価値が創造された企業および国において、適正に利益が課税されることを目的としています。
ローカルカントリーのファイナンスディレクター、およびファイナンスチーム
全ての税務報告および納税ポリシーの遵守に関する責任は、各国のファイナンスディレクター(FD)にあります。
FDおよびコントローラーは、ビジネスを展開する国の税法および手続きを理解し、適用される全ての法律、規則、および開示要件を常に最新の状態に保ち、遵守する責任を負います。
特定の項目の税務処理や報告要件が不明確な場合、FDまたはファイナンスチームは専門家の助言を求める必要があり、必要に応じて外部の税務アドバイザーに相談することが推奨されます。
また、全ての税務申告を期限内に、正確に提出する責任があります。現地で内部リソースが不足する場合は、税務申告の作成を外部アドバイザーへ依頼することも推奨されます。
FDは、税務当局と良好な業務関係を築き、税務当局の要求に対して友好的かつ迅速で、専門的な方法で対応する必要があります。
FDは、自国で発生した特定の税務問題を、最初に特定された後、可能な限り速やかにグループファイナンス・ファンクションに通知し、意見を提供するとともに、その問題の影響を認識する必要があります。
ラッシュグループは近年、多くの変化と成長を経験しており、グループファイナンス・ファンクションは増大する税務リスクを認識し、これらのリスクを軽減するための適切な枠組みと管理体制を継続的に実装、および維持し続けます。
FDは、以下の責任を負います。
- 全ての内部税務報告の管理
- 税務リスクを管理するための内部ポリシーと手順の維持および監視
- 税務費用の計算はグループ会計ポリシーに準拠
- 税金の支払い額の正確な予測(キャッシュフロー報告の目的)
- 法定会計目的での税務報告パックの迅速かつ正確な提出
- 臨時の税務報告要求への迅速な対応
税務判断の評価基準
私たちは、税金が複雑な分野であり、ビジネスにおいて税務に関する意思決定を行う際には適切な支援が必要であることを認識しています。評価の際には、以下の基準を考慮します。
- 商業目標の達成において、私たちの価値観と一致しているか
- シンプルであるか
- 税務処理が技術的に正しいか
- お客様への影響
- 従業員への影響
- 株主への影響
- 取引する社会への影響
- コストがどのくらいかかるか
HMRCとの関係
当社は大企業として、UKグループではHMRC(英国財務当局)専任のカスタマーコンプライアンスマネージャーが担当しており、年間を通じて定期的にオープンで誠実なコミュニケーションを継続しています。定期的な協力的コミュニケーションに加えて、UKグループはHMRCの正式なビジネスリスクレビュー(BRR)プロセスに従っています。BRRによりラッシュは現在、過去、そして将来の税務リスクについてオープンかつ協力的に議論し、重要な事項や税務に関する問題を提起し、それらの税務上の影響に対処することができます。
私たちは人間であり、意図しない誤りが特定された場合は、速やかにHMRCへ開示し、必要な修正について合意を得るよう努めています。UK法人税の申告書、および計算書を提出する際には、必要に応じて請求を裏付けるために適切な報告書がHMRCに提出されていることを確認します。
グループカンパニーの体制概要
私たちの納税ポリシーは、シンプルさと透明性を重視していますが、ラッシュがハンドメイドコスメの製造・小売業にとどまらず、新商品の開発も事業としていることをご理解いただくことが重要です。例えば、私たちはバスボムを発明したことを誇りとしており、商品開発者たちはパッケージの使用を最小限に抑えるため、革新的で効果的な固形商品(例:固形のシャンプーバーやシャワージェル)の開発に尽力しています。
そのため、ラッシュは単なる一企業ではなく、異なる事業分野を別々の会社として運営しながら、組織全体を管理しています。
グループカンパニーの体制をご理解いただくために、以下に概要を示します。
Lush Cosmetics Limited
Lush Cosmetics Limited (ラッシュ コスメティクス リミテッド)は、フレッシュハンドメイドコスメの開発、製造、販売を行うビジネスの持株会社です。
Cosmetic Warriors
Cosmetic Warriors (コスメティック ウォリアーズ)という会社は、会計および税務上の理由によりグループ外に位置付けられていますが、移転価格税制上は関連会社であり、ラッシュの各企業の取引は独立企業間価格に基づいて行われます。この会社はUKに拠点を置く商業会社であり、当社の製品に関する知的財産権(IP)、商標、特許の取得、保有、保護をしています。Cosmetic Warriorsは、これらの知的財産の使用に対してライセンス料を請求します。ラッシュの商品開発者がUKで暮らし、商品開発を続ける限り、その特許や商標を保有する会社もUKに所在し、UKで課税されることになります。
Lush Limited
Lush Limited (ラッシュ リミテッド)は、ラッシュの全てのフレグランスとエッセンシャルコンポーネント(EC)を製造し、製造拠点を持つ国々に販売しています。これにより、完成品を大量に輸送する必要がなくなり、当社のビジネスによる環境負荷を軽減することができます。全てのグループ製造国は、同じ価格でフレグランスとECを購入しています。ラッシュのフレグランスとECの製造に加え、ラッシュ リミテッドは、ブランドの可能性を最大限に活かし、ブランド戦略を統合し、ビジネスのあらゆる分野に対して適切なトレーニングを提供し、グローバル、および国内レベルでイベントを管理し、法的、および財務上の義務を一元管理することにより、グループ全体、およびパートナーマーケットをサポートしています。
Lush Global Digital Limited
Lush Global Digital Limited (ラッシュ グローバル デジタル リミテッド)は、グループのデジタル戦略を統括、および実施する会社です。主な事業活動としては、ラッシュグループ会社へのデジタル製品、およびサービスの開発と提供、さらに外部顧客向けの新しいデジタル販売の創出を担っています。
従業員向けへの指針
万が一、ラッシュの納税ポリシーに従っていない個人を従業員が発見した場合は、完全な機密保持のもと、以下の内部通報窓口に報告してください。
blowthewhistle@lush.co.uk
また、本ポリシーの詳細や特定の問題についてのお問い合わせは、2013年12月に取締役会を代表して本方針の初版を作成したKim Coles (kim@lush.co.uk)までご連絡ください。
キム・コールズ 2013年12月
最終更新 カリーナ・ドミネイ 2024年6月
Lush Cosmetics Limited、およびその子会社は、本書が2022年6月30日終了年度の2016年財務法第19条第16項(2)の要件に準拠しているとみなします。
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