ラッシュで働く理由
人って変わることができる。なぜなら、私は変わることができたから。
マッサージルーム コンパウンドトレーナー NAMI
一度はゼロからキャリアをスタートさせることを経験したマッサージルームで働くNAMIさんに「ラッシュで働く理由」を聞いてみました。
まずは、NAMIさんがラッシュに入社したきっかけを教えてください。
学生のころからハンドメイドが好きで、卒業後は手芸・工芸用品の会社に就職して、販売業の仕事をしていました。その仕事を辞めることになり、ラッシュで製造の仕事をしていた友人が「一緒に働かない?」と誘ってくれたのがきっかけです。地元が神奈川で、高校生の時からラッシュの商品を使っていたのですが、製造拠点がこんな身近にあることに驚きました。「あなた、ラッシュで働いてるの?私もやりたい!」といった感じで、吸い込まれるように入社しました。2011年のことでしたね。
ラッシュに入社してからは、どんなキャリアを歩んできたのでしょうか。
入社した時から、商品を製造するシェフへの憧れがありました。働き始めて、キッチンでシェフを見ては、「あ、ラベルのあの人!」と嬉しくなったことも覚えています。
手作りすることが好きだったので、いわゆる商品の製造だけではなく、完成した商品を出荷するためのラッピングや、商品をギフト商品として完成させる仕事にも興味がありました。入社後、配属されたのは泡風呂タイプの入浴料、バブルバーを作る製造ルーム、ラッピングをする担当でした。当時は、今では当たり前となったパッケージフリーのネイキッド販売ではなくて、バブルバーも一つひとつの商品が透明の袋にラッピングされて販売されていました。
大好きなラッシュの商品に関わる仕事だから、ウキウキな気持ちで、ワクワクしながら製造ルームに入るじゃないですか。でも、すぐに「マジか!」って思ったんです。こんなに大変だとは思わなかった(笑)。先輩たちは互いの作業スピードに合わせながら、テーブルに並べられるできたての商品を袋に「スッ」と入れて、袋にシワが寄らないように「ピッ」と商品ラベルを貼るんです。綺麗に仕上げるだけじゃなくて、とにかく早い。「どうしよう、追いつけない」と、心が折れそうになりました。もちろん、やり方を教えてもらいますが、手作業だからやっぱり体で覚えるしかないところもありました。
今ではバブルバーの商品数も製造量も増え、全部で70人ほどのチームになりましたが、当時はバブルバーの製造担当は5人ほど、そのハンドメイドされた商品をラッピングチームも5人くらいの規模でした。
チームでの連携なくしてはできない仕事ですね。
当時のラッピングチームは、二人一組で作業をしてました。ハンドメイドされたバブルバーって、大きさが微妙に違うことがあるんです。袋に入れる時、袋の端に商品が引っかかると「スッ」と入らなくて、最初はペアとして隣で働く先輩たちから遅れをとることもありました。半年くらい経って、ようやく先輩たちのペースに追いつけるようになりました。先輩たちは面倒見が良くて、たくさんフォローしてくれました。チームメンバーには本当に恵まれて、退職したメンバーとも今でも仲良くしています。
それからラッピングの仕事だけでなく、製造の仕事にもチャレンジしたそうですね。
当時、バブルバーの製造メンバーが足りなくなり、ラッピングチームから製造チームにヘルプにいくことが増えました。そうしたら「楽しいな」って思ったんです。自分がラッシュで働くとなった時の最初のイメージと、ピッタリ合いました。ラッピングをしていると「もう少し高さを調整してくれたらな」「この部分をもう少しだけクルクルねじってくれたら、袋に入れやすいのにな」と思うこともありましたが、一つ前の工程、製造側に回ってみると「そうか、こうやって作るからあの完成形になるのか!」ということが分かったり、製造側に回れば変えられるかもしれないと思って、ルームマネージャーに「製造にチャレンジしたいです」と声をかけました。
こうして、かねてから憧れだったラッシュの商品を製造する仕事に就いたのですね。
ラッシュでは、社内で認定された製造技術者は「コンパウンダー」と呼ばれています。バブルバーの製造ルーム内で製造チームに異動してから、最初は重曹や界面活性剤が混ぜられたベースの成形を担当しました。それから数年して認定試験を受けて、コンパウンダーになりました。
バブルバーのベースの仕上がりは、その日の湿度に影響されます。湿気が多い日はミキサーで同じ時間原材料を混ぜても、仕上がりが変わるんですよね。仕上がりの状態が違うと、生地を寝かす時間を調整します。自然な環境に影響されやすいので、それを自分で調整することに苦戦もしましたが、そこにやりがいも感じました。
それからしばらくして、「プロダクトチャンピオン」という新しい制度が始まりました。プロダクトチャンピオンは、製造技術者としてのスキルに加えて、チームに対して製造スキル、ラッシュのブランドバリュー、会社の取り組みについてのトレーニングを提供しながら、人の成長にも責任を持つポジションでした。元々、人に何か教えることは好きでしたし、「せっかくラッシュで働いてるのに、毎日製造を繰り返すだけなんて、もったいない!」と思っていたこともあり、このポジションに挑戦できて、とても刺激的な経験をさせてもらいました。
「プロジェクトチャンピオンをやりたい」と自ら手を挙げたことで、一番得たものって何でしたか?
プロダクトチャンピオンとしての活動が始まってから、社内の様々なトレーニングに参加しました。それまでは「とにかく作る」という毎日だったのが、トレーニングを受けながらラッシュというブランドについて理解を深め、例えばパッケージフリーのネイキッド販売することによる環境へのポジティブなインパクトがよく分かったり、製造ルームの外にも目が行くようになりました。化粧品の開発に動物実験をしていること、ラッシュがどうして反対しているのか、どうしてキャンペーンを実施するのかなど、たくさんのことを教えてもらいました。
日々の製造業務に加えて、自分自身もトレーニング内容を考えてはチームメンバーに提供していました。でも、新しいことを始める時って、すぐに受け入れてもらえないこともあるじゃないですか。私がトレーニングに時間を割くようになると、一人だけ違う動きをする私に対してチームメンバーの理解を得られず、「どうして製造から抜けちゃうんですか」と言われたり、チームメンバーとぶつかることもありました。「自分はこうやりたいのに、伝わらない。悔しい!」と泣きながらマネージャーに相談したこともありましたね。
そんな時、Namiさんはどうしたのですか?
当時、プロダクトチャンピオンのサポートをしてくれていた人から、「Namiちゃんはそのままでいいんだよ」「新しく始まることって、すぐに受け入れられないこともあるから、諦めずに伝え続けることが大事」という声をかけてもらいました。それから、どうしたらトレーニングの時間がもっと楽しい時間になるか一緒に考えてくれました。自分で「やりたい」って言ったことだから、ここで放り出せないと思ってましたが、そんな言葉をかけてもらえて前を向くことができましたね。
途中でやめるって、かっこ悪いじゃないですか。私、自分ってもっと楽観的な人かと思ってたんですけど、この会社に入ってから自分がどれだけ負けず嫌いなのか、熱いものを持ってる人なのかを知りました(笑)。ラッシュに入ってから自分の性格が変わったと思います。親戚から「明るくなった」って言われたりするんです。
この時の悔しさやもどかしさは、自分を大きく成長させてくれました。10年以上ラッシュで働いている中でも、一番成長した時かもしれません。
親戚の方からのその言葉はNamiさんにとって、自分が変われたと実感できる大きな一言なんですね。しかもNamiさん、その変わった後の自分が好きですよね。
好きですね。積極的に挑戦し続けていれば、自分でよくしていくことができる。自分自身を変えることだってできる。自分の皮だって自分で破れるんですよね。そうすると、日常がもっと楽しくなりました。
そういう経験があって、Namiさんの仕事との向き合い方も変わってきたのでしょうか。
働く中で、人とのつながりが大事だと思っています。支え合うことはやっぱりすごく重要。それはただの馴れ合いではなくて、お互いの成長を第一に考えた上で支え合うこと。優しさだけじゃなくて、時には厳しさも備えつつ、互いが成長することでもっと良い商品ができていくという気持ちをいつも持つようにしてます。
みんなで良くしたい。そっちの方が自分も楽になるし、自分がもっと成長できるじゃないですか。そうしたら、周りももっと成長できるし、チームワークも絶対良くなる。
Namiさんって、成長に貪欲であると同時に、貢献したいという気持ちも強くお持ちですよね。
結局みんな、ラッシュの商品やラッシュで働いていることが好きだからそこまでやりたいと思いますよね。少数派だったかもしれないけど、一緒にプロダクトチャンピオンをしていたメンバーは、チームのために、そしてお客様のために、「もっと良くしたい」という気持ちをそれぞれ持ってました。熱いものを持っている人たちでした。
少数派って言いましたけど、誰もが皆、その熱さを持っているわけではないのでしょうか。
グイグイこられるのが苦手な人もいるじゃないですか。トレーニングをしている時に思ったのは、「なんか嫌だな」って一度思われると、なかなか次のトレーニングに参加してもらえないんです。だから相手に合わせて伝え方を変える工夫をしてみたりすると、トレーニング中に発言がなくても、終わった後に話しかけに来てくれることもありました。
入社してから色んな経験を積まれたNamiさんは、それから産休育休を取り、復帰後はマッサージルームに異動したと聞きました。
2019年3月から1年半、産休育休をいただきました。2020年、コロナ禍での復帰後は体制の変更などもあり製造ではなく、今所属しているマッサージルームのストックコントローラー(在庫管理)をしていました。実はその時、コンパウンダーの制度が変わって、「プロダクトチャンピオン」というポジションもなくなり、ゼロからのスタートになりました。あれだけ大変だったし、それはそれはショックでしたよ。
それでもその後、「やっぱり製造がしたい」と思ったタイミングで、社内公募でマッサージルームのコンパウンダーの募集がかかりました。ルームマネージャーも私はもうコンパウンダーからは退いたのかと思っていたみたいですが、私はそんな気持ちはなかったので、「経験がある自分が戦力になれれば」と伝え、立候補しました。コンパウンドから離れていた期間が長かったので自分の中でもかなり大きなチャレンジでしたが、こうしてまたラッシュの製造に携わる仕事をしています。こうして、またゼロからコンパウンダーとしてのチャレンジが始まりました。
ゼロからのスタートですか。私だったら心が折れそうです。それからまたコンパウンダーに戻り、今はマッサージルームでコンパウンダーの人材育成を担当するコンパウンドトレーナーをされてるのですよね。
そうなんです。コンパウンダーに戻った後、ちょうどルーム内でトレーナーのポジションに空きが出て、ルームマネージャーが「Namiさん、やってみない?」と声をかけてくれました。もちろん答えは、「やります」。新しいことに挑戦すると、また次のステップが目の前に現れる。チャレンジが尽きない。挑戦する機会が無限にあるんです。
コンパウンドトレーナーの仕事は、毎日の製造のプランニングに加えて、商品の品質管理、スタッフへの製造トレーニング、新商品のテスト製造を行っています。マッサージルームで製造する商品はカカオバターやシアバターなどの温度の管理がとても重要で、些細な違いで商品の品質に大きく影響します。マッサージバー、チャリティポットコイン、バスボムのパーツ、バスオイルなど製造する商品のカテゴリー種類も多く製造方法がそれぞれ全く違うので、日々違う仕上がりのものを確認することや他スタッフをトレーニングすることで、私自身も毎日勉強になっています。
入社して12年。いろいろなチャレンジをしてきたんですね。変わったこともたくさんあるかと思いますが、その中で変わらないことはありますか?
変わってないことは、向上心!初めて「製造をしてみたい」と言った時も、「プロダクトチャンピオンになりたい」と言った時も、「製造にまた戻りたい」って言った時も、いつも背中を押してもらってきました。だから手を挙げることができたし、「自分がもっと成長したい」「チームをもっと成長させたい」という気持ちがありました。毎日作ってるだけだと、つまらなくなることもあるじゃないですか。チャレンジし続けてるから10年もこの仕事を続けられてるのかなと思います。向上心があれば、色んなことに興味を持つ。そうすると、飽きないんです。
それから、コンパウンダーであろうとトレーナーであろうと、人任せじゃなくて、「これはルームマネージャーがやってくれるはず」じゃなくて、自分の立ち振る舞いで周りを引っ張っていけたらいいな、ということはずっと思ってます。前の職場の人間関係がよくなかったこともありますが、元々人見知りが激しくて、みんなが賑やかにしてるところに中々入れなかった私が、人前で話すことや、こうして自分のキャリアを振り返ってお話しできるようになりました。自分が変わることができて、そうしたら自然と物事が良い方向に行く。チームも自然とそうなってくれたらいいな、って思ってます。
製造量は増え続けているし、「ただ作ってる」と感じてる人は、今でもいるかもしれません。それ、「すっごいもったいないな」って思うんです。これも10年前から変わらないことで、せっかくラッシュで働いていて、社内でいろんなことにもチャレンジできるし、自分で動くことでもっと色々なことを良くしていくことができる。良くできることはもっと変えていきたいっていう気持ちは今でも持ち続けています。10年前から変わらず、必要な情報があれば自分でそれを取り、それをみんなに共有する。このマインドはずっと変わらない、変えたくないと思ってます。そうすることで、人って変われると思うから。なぜなら、私が変わることができたから。
そんなNamiさんへの最後の質問です。Namiさんがこれからチャレンジしたいことって何かありますか?
一度ゼロになってしまった自分のコンパウンダーとしてのキャリア。入社して10年経ちますが、まだ経験した製造ルームは2つと多くはありません。ラッシュには他にも様々な製造ルームがありますので、他のカテゴリーの商品も製造してみたいと思っています!
次のチャレンジは育成です。自分がいつまでもそこにいるわけにはいかないし、自分だけが知識が豊富でも意味がないじゃないですか。どんどん周りに広げていくことで、みんなに浸透していく。今はトレーナーとしてチームを引っ張る立場なので、スタッフが働きやすい環境をみんなで作っていきたいと思っています。みんなもそう思ってくれるよう、常に明るく接しています。決して無理はしてないんです。チームメンバーが自然とそうさせてくれています。
2023年9月
12:11