「Lush Spring Prize 2023」受賞者発表 環境や社会の再生に貢献した17プロジェクトに総額約3,800万円授与

今年で5回目の開催となる「Lush Spring Prize 2023」環境や社会の再生に貢献した17プロジェクトに総額約3,800万円を授与
〜 世界中のリジェネラティブな取り組みを支援し、この地球をよりみずみずしく、豊かな状態に導くことに貢献 〜

英国の消費者団体であるエシカルコンシューマー・リサーチアソシエーション(Ethical Consumer Research Assosiation、以下エシカルコンシューマー)は、2023年5月24日(ドイツ現地時間)、環境や社会の再生に貢献したリジェネラティブプロジェクトを称える基金『Lush Spring Prize 2023』の受賞者を発表しました。厳正なる審査のもと、合計17のプロジェクトを対象に総額236,000ポンド(3,776万円)が授与されます。
ラッシュは、この地球をよりみずみずしく、豊かな状態にして次世代に残すというブランドパーパスを掲げ、化粧品ビジネスを展開しています。この、世界中のリジェネラティブなプロジェクトの支援に繋ぐ『Lush Spring Prize』も、その一貫とした取り組みの一つです。

Lush Spring Prize 2023の受賞者達。左上から時計回りに:Unidosソーシャルイノベーションセンター(ウガンダ)、teKio(メキシコ)、European Coordination Via Campesina (欧州)、Organización Waorani de Pastaza/OWAP (エクアドル)

Lush Spring Prize 2023では、合計17プロジェクトを選出

全17のプロジェクトが グローバル課題やローカルに起こる波及効果に対する様々なアプローチを採用しています。それは例えば、気候危機、新型コロナウイルス感染によるパンデミック、ウクライナにおける戦争がグローバルサウスの大半の地域に与える影響などです。

各プロジェクトは、それぞれ異なる背景を持つ多様な焦点がありますが、全ての受賞者は包括的かつ再生的に課題へ取り組んでいくという共通の目標を掲げています。また、多くのプロジェクトはその対象となるコミュニティが中心となって進行されています。例えば、先住民族、難民、農民主導の組織が複数存在します。選考は、Lush Spring Prize審査委員会による審査プロセス(※英語のみ)を通して受賞プロジェクトを決定します。この委員会は、リジェネラティブデザイン、パーマカルチャーデザイン、食料主権、トランジション・タウン、生物模倣、エコビレッジネットワーク、そして様々な社会的正義を求める運動など、多様なジャンルで活動する人々で構成されています。

「全ての応募書類に目を通したとき、私はその膨大な量の美しさ、知識、情熱に圧倒されました。世界中で素晴らしい取り組みをしている人々がこんなにも集まったのですから」 

– ジェシリー・ピアース、Lush Spring Prize 2023 審査員

2023年のプライズは、インテンショナル・プロジェクト賞、ヤング・プロジェクト賞、エスタブリッシュド・プロジェクト賞、インフルエンス賞の4部門に加え、パートナー団体の「Be The Earth Foundation」と「The Permaculture Magazine」と連携し、今年で2回目となるエイシェント・インディジナス・ウィズダム(古代・先住民の知恵)賞とパーマカルチャー・マガジン賞を含む合計6部門で構成されています。

Lush Spring Prize 2023 受賞者リスト

受賞プロジェクトは以下の通りです。 各プロジェクトの詳細は、Lush Spring Prizeの公式サイトからご覧いただけます。

Lush Spring Prize 2023 受賞プロジェクトの一例を以下にご紹介します。

  • Himalayan Permaculture Centre (ネパール) / エスタブリッシュド・プロジェクト賞

Himalayan Permaculture Centre (HPC)は、パーマカルチャーをテーマにした草の根のNGO団体です。ネパール西部の人里離れた資源に乏しく貧しい農村で活動しています。この団体はスルケート郡とフムラ郡の農家の方々によって運営されています。

この団体は、31にわたる村のコミュニティと共にリジェネラティブなプロジェクトを行っています。独自のクロスセクターアプローチを採用しながら、食料安全保障と食料主権、保健、教育、生活、能力開発を統合したプロジェクトを実現しています。このプロジェクトの結果、様々な生活様式、文化、生物多様性を持つ豊かな村が生まれたのです。これにより、村に住む人々が貧困のために村を去る必要がなくなりました。

  • Rawa Fund (パレスチナ) / インフルエンス賞

Rawa Fundは解放的でレジリエント(柔軟で強靭)なパレスチナの草の根の社会生態系を提唱・強化するために活動しています。これにより、イスラエルの植民地支配に抵抗し、社会基盤を強化し、創造的なコミュニティ主導の変革を成し遂げていきたいと考えています。この団体は、自由で自己決定力のある公正で参加型のパレスチナ社会を構想しています。草の根のコミュニティは、人々が権力にアクセスし、資源を共有し、集団的幸福と豊かさを維持するための重要な基盤だと考えられているのです。

この団体は2018年に、一般参加型の助成金提供と総合的な支援モデルの運用を試験的に開始しました。ヨルダン川西岸地区、エルサレム、48年地区、ガザ地区で活動を行う草の根のコミュニティベースのイニシアチブ(ほとんどが未登録)に60以上の助成金が授与されています。

  • Cooperativa Agropecuaria de Servicios Tonanzintlalli (ニカラグア) / ヤング・プロジェクト賞

Cooperativa Tonanzintlalliは、先住民族Matagalpaの女性23人によって結成されました。地域の土地や人々との適正な関係の中で、木々の作る影のもと育つ、リジェネラティブな有機コーヒー豆を栽培し付加価値をつける取り組みを行っています。このプロジェクトを通して女性たちは、先住民族として持つ環境や文化的知識、それに加えて経済的・政治的自己決定を回復・促進させ、守っていくことを目指しています。Tonanzintlalliとは、神聖な母なる大地を意味します。母なる大地の権利、地球と、その創造物と、我々の間にある神聖な関係性を守ることに邁進しています。

  • Taniala Regenerative Camps (マダガスカル) / インテンショナル・プロジェクト賞

タニアラ再生キャンプ(Taniala Regenerative Camps)は、マダガスカルで、現地に適応し、アクセスしやすく、再生可能な土地利用の実践を推進しています。持続可能かつ再生可能な農業技術によって森の再生をサポートし、マダガスカルの未来の世代に健全な土壌を残すことを目的にしています。2022年、飢饉や干ばつから逃れてきた移民が暮らす村ランボケリに最初の「再生キャンプ」が設置されました。焼畑農業が一般的で、現在では森林面積が56%しか残っていません。タニアラは、他のエリアでもより持続可能な実践を促進するために、より多くの「再生キャンプ」の設置を目標としています。

  • Instituto Janeraka (ブラジル) / エイシェント・インディジナス・ウィズダム賞

Janeraka Instituteは、アマゾン地域Altamiraに住み、50年前までグローバルな社会との接触を拒んでいた、Awaeteの祖先たちから誕生したグループです。それ以来、最初の接触後に起きてしまったジェノサイドやエスノサイドによってもたらされた惨状は、水力発電所の建設や採掘活動によって悪化し、世界でも最悪レベルの森林破壊を引き起こしました。これはまたこの地域だけでなく世界の水上生活者や土地、森林の存在をも脅かしています。JanerakaはAwaeteの言葉で「私のでもあなたのでもない、私たちの家、その家はその手入れをする人のものである」ということを意味します。Janeraka Instituteの活動のすべてはAwaeteの伝統文化の強化と、他の森の人々との知識と慣行の交換を中心としています。

  • Sol Haven (英国)  /  パーマカルチャー・マガジン賞

コミュニティ利益会社のSol Haven は2018年英国で、創業者たち自身の持続可能な農業への情熱と、住居を失うという個人的な体験を元にスタートしました。そのビジョンとして掲げるのは、英国中に持続可能なパーマカルチャーをケアできるハブを作り、そこで農村部の芸術や工芸の展示をすると共に持続可能な地域の食物を提供するといった、青写真の作成です。更にこのプロジェクトでは、より良い今日とより明るい未来の在り方を決定するのに活用できる実用的な環境を探求・開発・創造することを目指しています。

Lush Spring Prizeとは

Lush Spring Prizeは、ラッシュとエシカルコンシューマーが2017年に設立した基金であり、環境や社会の再生に貢献した世界各地のプロジェクトを支援することを目的としています。2017年からLush Spring Prize 2023が終わるまでに、世界中でリジェネラティブな取り組みをしているプロジェクトを対象に、総額100万ポンド以上(日本円で約1.6億円)を寄付することになります。
Lush Spring Prizeは、損なわれた地球のシステムを修復し、世界をよりみずみずしく豊かな状態にするために貢献している人々を称え、支援するもので、各共同体や社会が自然と調和しながら共存し、健全でしなやかな生態系と日々の暮らしを両立させる能力を向上させることを目的としています。そして、総合的なアプローチを通じて健全なエコロジー、経済、社会システムを構築するサステナビリティ(持続可能性)を超えるプロジェクト、つまり持続しながらも新たな価値やポジティブな影響を創出する「リジェネラティブ」なプロジェクトを支援します。また、リジェネラティブなプロジェクトを支援することで、この活動全体の認知度が高まり、より多くの個人、グループ、コミュニティ、資金提供者、企業がリジェネラティブな取り組みを開始するきっかけになることを願っています。    
※1ポンド / 160円換算

ラッシュについて

ラッシュは、新鮮な野菜や果物を使った100%ベジタリアン対応のナチュラルコスメブランドです。約95%の商品がヴィーガン対応です。エッセンシャルオイルをふんだんに使用し、動物実験をせず、可能な限り合成保存料に頼らない処方で手作りしたスキンケア、ヘアケア、バス製品などですべての人の健やかな肌や髪のために役立ちたいと考えます。原材料の新鮮さ、本質的な意味においてオーガニックであることに価値をおいて開発する商品は、フレッシュなうちに使用することで原材料の効果を最大限実感することができると信じています。「ラッシュ」の名が示す通り、毎日の生活を「みずみずしく豊か」に、よりハッピーでヘルシーなものにしたいと考えます。倫理的であること、そしてサステナビリティのその先を目指し、原材料調達から商品開発やパッケージの資材調達など、リジェネラティブであること(再生可能性)を最優先にあらゆる企業活動を行っています。
https://www.lush.com/jp/ )

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