バイイングポリシー:人への配慮、環境への配慮、公正なシェア
倫理的なビジネスを行いたいと考えるラッシュはこのバイイングポリシーを事業の柱に据えています。
ラッシュはサプライチェーンに関わる全ての生命、そして環境に与える影響を考慮してビジネスを行っています。私たちがここまでビジネスを拡大できた大きな理由は、生産者をはじめとするサプライヤーの皆さんとできる限り直接お会いして、親密な関係構築を意識的に取ってきたからだと信じています。
ラッシュは、直接的か間接的かに関わらず、原材料や資材の調達に関わる全てのサプライヤーとその下請業者に対して、本ポリシーの共有と順守を義務づけています。私たちは、このポリシーをビジネスの枠組みとして活用し、新たなサプライヤーと取引が始まる際には、本ポリシーの内容に賛同いただき、書面に署名をいただいています。
また、サプライヤーの実績や一連の工程について、第三者による監査が行われる場合があります。この監査は無作為に抽出されたサプライヤーを対象に行われたり、宣言内容のさらなる確認のために行われることがあります。
遵守必須の基準
ラッシュが、誰もが順守すべき最低限の基準と考える法的義務や基準がここに含まれます。ここに分類される基準には次の記号がついています:⚫
注意:サプライヤーの視点、またはサプライヤーのサプライチェーンに関与する者が、本文書の基準を順守することで、好ましくない影響を受ける可能性がある場合には、当社にご連絡ください。
発展的基準と変化への支援
ここに含まれる基準は、ラッシュにとって常に重要ではあるものの、サプライヤーがそれを満たすには時間がかかること、または支援を必要とすることもあることを理解しています。全ての問題を直ちに解決することが難しいことは、承知しています。基準に満たない場合にはベンチマークを設定し、合意した期限内に双方が納得できる形で解決を図れるよう、サプライヤーの皆さんとともに取り組みます。そうすることで、継続的な改善が図れているかどうかをラッシュとサプライヤー双方が確認することができます。
サプライヤーは合意期間終了後、社内の方針、手順、慣行についての変更点を明らかにし、自社の改善状況を説明します。依然として基準に満たない場合でも、サプライヤーはその状況を常時確認し、基準達成に向けて確実に漸進するための体制を導入することが可能です。こうすることで、ラッシュとラッシュのサプライヤーである貴社双方が、時間とともにどのような改善が図られたのかを知ることができます。
ここに分類される基準には次の記号がついています:◯
サプライヤーの誓い
ラッシャは、全てのサプライヤーに以下のことをお願いしています。
- ラッシュに対して、率直で正直であること
- 問題を自らのこととして受け止めること
- ラッシュとともに問題解決に取り組むこと
- ラッシュの商品の製造に携わる全てのサプライヤーに対して、本文書に記載されたポリシーの理解を徹底し、それに責任を持つこと
本ポリシーが掲げているのは、必要最低限の基準であり、大きな基準ではないことから、貴社がこの基準のさらに上を目指すことを阻むものではありません。国内法や他の適用法令を順守し、法律の規定と本ポリシーが同様の問題を取り上げている場合には、より厳しい保護を課している規定を適用することとします。
本ポリシーは、サプライヤーが行う以下の業務に適用されます。
- 卸売業者:当該業者が行う一切の業務およびラッシュに納入する資材の製造業者
- 製造業者:ラッシュが製造業者から直接購入する場合は、当該業者が行う一切の業務に本ポリシーが適用されます。
1.0 人への配慮
1.1 職業選択の自由 ⚫
1.1.1 強制労働、債務労働、非自発的な囚役を禁止します。
1.1.2 従業員が、雇用主に「保証金」や身分証明書を預けることを求められることはありません。また合理的な通知を行うことで、自由に離職できます。
1.1.3 ラッシュおよびその全てのサプライヤーの一切の業務において、人身取引は厳に禁じられています。
1.2 結社の自由と団体交渉権の尊重 ⚫
1.2.1 従業員は誰でも等しく、自らが選んだ労働組合を組織、または参加し、団体交渉を行う権利を有します。
1.2.2 雇用主は、労働組合の活動やその組織的活動に対し、誠実に対応します。
1.2.3 従業員の代表は差別されることなく、かつ代表としての役割を職場で遂行します。
1.2.4 結社の自由および団体交渉権が法律によって制限されている場合、法律に基づき雇用主は自主的かつ自由な結社・交渉のための類似の仕組みを構築することを支援し、これを妨げることはありません。
1.3 安全で衛生的な職場環境 ⚫
1.3.1 業界や特定の危険性に関し、広く受け入れられている知見を念頭に、安全で衛生的な職場環境を構築します。作業を原因としたり、作業に関連したり、あるいは作業中に発生したりする事故や健康被害を防止するための適切な措置を講ずることで、職場環境に付随する危険な要素を、合理的に可能な範囲でできるだけ取り除きます。
1.3.2 健康および安全衛生に関する研修を従業員に対して定期的に行うとともに、これを記録します。新たに、または再度雇用された従業員を対象に、同様の研修を繰り返し行います。
1.3.3 清潔な洗面所と飲料水を用意し、必要に応じて、清潔な食品用貯蔵庫を準備します。
1.3.4 宿泊施設を提供する場合には、従業員の基本的ニーズを満たす、清潔で安全な施設を提供します。
1.3.5 会社は規定を順守するにあたり、衛生と安全衛生の確保についてシニア管理職を担当として任命します。
1.4 児童労働の禁止 ⚫
1.4.1 以下の場合、児童の雇用を禁止します。
- 製造国が法律で定める就業最低年齢に満たない場合、または 15歳未満(特定の発展途上国では14歳未満)(日本では労働基準法に定められた基準にもとづき、労働基準書へ報告することによって労働させることが可能となる場合があります。)
- 児童の心身の健康を損なう場合
- 児童の安全または子ども時代を享受する状態を損なう場合
- 児童の教育を妨げる、またはそれに取って代わる場合
- 強制的かつ、児童の意思に反している場合
1.4.2 学校教育を妨げない場合には、12~13歳の児童による軽作業が、ほとんどの発展途上国で認められています。(日本では労働基準法に定められた基準にもとづき、労働基準書へ報告することによって労働させることが可能となる場合があります。)
1.4.3 危険・有害な作業は、その特性あるいは作業を実施する環境により、児童の心身や道徳的福祉を脅かす可能性があることから、18歳未満の児童が従事することを禁じます。
1.4.4 18歳未満の児童および年少者が、夜間または危険な場所で就業することを禁じます。
1.4.5 労働に従事する児童が、質の高い教育を受け、成長するまで受け続けることができるように、サプライヤーは、その移行を支援する政策やプログラムを策定するか、それに参加・貢献します。
注意:きわめてまれな状況があり得ることは承知しています。サプライヤーとしての貴社、またはサプライチェーンに関わる貴社の社員が、本文書の1.4または、いずれかの基準の順守により、好ましくない影響を受ける可能性があると思われる場合には、当社にご連絡ください。
1.5 法定最低賃金の支払いと、全ての従業員に法が義務づける手当の支給 ⚫
1.5.1 全ての従業員に対して、賃金に関する各自の雇用条件について理解可能な情報を、雇用前に書面または電子書面にて提供します。また、賃金を支払うたびに、その対象期間に関する賃金の詳細を同様の形で提供します。
1.5.2 懲戒処分としての減給は認めません。また賃金からの控除は、国内法で定められている場合を除き、いかなる場合であっても当該従業員の許可なしには認められません。懲戒処分は全て、記録を残す必要があります。(日本において労働基準法、就業規則に定められた中で懲戒処分を行います。)
1.5.3 雇用主支払いの原則:従業員が仕事に関し、支払いを行うことはありません。雇用の際にかかった経費は、従業員ではなく、雇用主が負担します。
紹介手数料の返済:従業員による紹介手数料の負担が判明した場合は、違反したビジネスパートナーがその全額を従業員に返済します。ここには、当該パートナーが注意管理義務を負うと合理的に判断される、人材紹介システムに関与する復代理人による違反も含まれます。
1.6 長時間労働の禁止 ⚫
1.6.1 就業時間については、国内法、労働協約、下記1.6.2から1.6.6のうち、より厳しい労働者保護を課している規定を順守しなければなりません。下位条項の1.6.2から1.6.6は、国際労働基準に基づいています。
1.6.2 契約書には時間外勤務を含まない就業時間を記載し、本人が望む場合を除いて、週48時間を超えてはなりません。
1.6.3 時間外勤務は全て任意とします。時間外勤務は、個々の従業員と従業員全体それぞれについて、就業の範囲・頻度・時間の全てを考慮した上で、責任を持って行わなければなりません。正規雇用と置き換えるために、時間外勤務を利用することはありません。
1.6.4 7日間ごとの総就業時間は、当該従業員が希望するか、または下記1.6.5に記載された理由以外では、60時間を超えないものとします。
1.6.5 以下の全ての条件が満たされる例外的な場合に限り、7日間ごとの就業時間が60時間を超えることがあります。
- 国内法で認められている。
- 全従業員の大多数を代表する従業員組織が、自発的に行った交渉で締結した労働協約で認められている。
- 従業員の健康と安全を保護するために、適切な予防措置が講じられている。
- 生産量の想定外の増加、事故、緊急事態など、例外的な状況にあることを雇用主が証明できる。
1.6.6 従業員は7日間ごとに1日の休日を取得できるようにしなければなりません。ただし、国内法が認める場合には、14日間ごとに2日の休日を取得することができます。*国際基準では、適切な場合、労働時間の削減に応じて減給することなしに、通常の就業時間を週40時間まで段階的に減らすことを推奨しています。
1.7 差別の禁止 ⚫
1.7.1 人種、カースト、国籍、宗教、年齢、障がい、ジェンダー、配偶者の有無、性的指向、労働組合への加入、所属政党に基づく、雇用、報酬、研修参加、昇進、解雇、日常業務、退職での差別はありません。
1.8 正規従業員としての雇用 ⚫
1.8.1 業務は、国内法および慣行が規定する、公に認められた雇用関係に基づいて、可能な限り行うものとします。
1.8.2 正規の雇用関係を結ぶことで生ずる、労働法または社会保障法や規則が定める労働者への義務を回避するために、労務のみの提供契約、下請け、自宅での就業制度、または実際には技術の習得や正規雇用の提供を意図していない見習い制度を活用したり、期限付き雇用契約を過度に利用したりすることはありません。
1.8.3 従業員が望む場合を除いては、ゼロ時間契約を結ぶことはありません。(日本においてゼロ時間契約を結ぶことはありません。)
1.8.4 契約書が規定する雇用主と従業員の雇用条件・権利・責任・義務については、均衡を取る必要があります。
1.9 過酷または非人道的な処遇の禁止 ⚫
1.9.1 身体的虐待や懲罰、身体的虐待や性的他の嫌がらせに関する脅し、言葉の暴力や他の形態による脅迫は禁じられています。本規定の条文は必要最低限の基準であり、最大基準ではないことから、会社がこの基準のさらに上を目指すことを阻むものではありません。本規定を適用する会社は、国内法や他の適用法令を順守し、法律の規定と本基準が同様の問題を取り上げている場合には、より厳しい保護を課している規定を適用することとします。
1.10 自宅での就業と下請け ⚫
1.10.1 ラッシュのサプライチェーンでは、自宅での就業と下請けについて双方の合意がある場合にはこれを認めています。ラッシュは、当社のサプライチェーンで良好な労働条件を保証できるサプライヤーとの取引を望んでいます。サプライヤーは、全ての在宅就業者・下請業者に本ポリシーを伝えるとともに、サプライチェーンのどこで在宅就業や下請けが行われているかを、ラッシュに告知してください。
2.0 地球への配慮
2.1 遺伝子組み換え作物(GMO)と遺伝子組み換え微生物(GMM) ⚫
2.1.1 サプライヤーは、遺伝子組み換え作物・微生物を使用して製造した資材をラッシュに納入することはできません。ここには、紙・紙製品、他の動植物の遺伝子を組み込んだ樹木・植物も含まれます。
2.2 環境と生物多様性 ⚫
2.2.1 サプライヤーは、原生林、泥炭地、沿岸生息地、低湿地、貯水池を始めとする「保全対象」の自然生息地・地域を損なうことなく、事業を行わなければなりません。
2.2.2 環境計画・方針の作成に当たっては、天然林の伐採、水圧破砕法の採用、貯水池の排水など、生物多様性や自然生息地に否定的な影響を及ぼす行為を行わないよう、配慮する必要があります。
2.2.3 サプライヤーは法律で定められた環境基準(大気・土壌・水)を順守し、義務づけられている許認可を全て取得します。
2.2.4 ラッシュに納入する資材が、CITES(ワシントン条約)の付属書に記載されている場合は、種の再生が採取と同じペースで確実に行われるよう、持続可能な採取管理計画を策定します。
2.2.5 ラッシュに納入する資材・製品がCITESの規制対象となる場合には、サプライヤーはラッシュにその旨を告知する必要があります。
2.2.6 サプライヤーがEU域外から製品を輸入する場合、または製品を域外から輸入した第三者から購入する場合には、CITESの輸入許可証の写しをラッシュに提出する必要があります。
2.3 化学物質の管理方法 ⚫
2.3.1 詳細な安全衛生リスクアセスメントを行うとともに、全ての化学物質の取り扱いに関し、以下を含む研修を実施します。
- 防護服・防護具
- 吸引および皮膚接触の危険性
- 混合・噴霧についての詳細なガイドライン
2.3.2 化学物質の使用については、全て監視するとともに記録します。
2.3.3 全ての化学物質管理方法を対象に、それらが与えるあらゆる影響について事業で検討します。
2.3.4 化学物質の流出による河川や地域環境の汚染を防ぐために、その取り扱いと混合に関する流出防止対策を講じます。
2.4 農業における動物保護 ⚫
サプライヤーは以下の動物福祉基準を徹底する必要があります。貴社の業務に関連するあらゆる動物が対象となります。
2.4.1 飢えや渇きからの自由:健康と活力を維持するために、新鮮な水と食料を常時提供します。
2.4.2 不快からの解放:シェルターや快適な休息場所など、適切な環境を準備します。
2.4.3 痛み、けが、疾病からの自由:防止と迅速な診断・治療を行います。十分なスペースを与えて、その動物本来の行動ができる自由、移動の自由、適切な施設、同種の動物と過ごす自由を確保します。
2.4.4 恐怖や苦痛からの自由:精神的苦痛を感じないよう、環境を整え、世話をします。
2.4.5 サプライヤーは、産品を栽培・加工する土地での家畜以外の動物を対象とした狩猟・間引きを禁止する必要があります。ここには時として有害生物と見なされるアナグマ、ネズミなどの動物も含まれます。
2.4.6 野外作業は、鳥の巣など動物の生息地を避けて行います。
2.4.7 ハチや送粉者を傷つけないように農作業を行います。
2.5 健全な土壌 ◯
2.5.1 土中有機物の保全のために、土壌の健康管理計画を実施します。
2.6 強い毒性を有する農薬 ◯
2.6.1 総合的病害虫管理(IPM)や生物農薬など自然に由来する技法を、害虫防除に用いることを、ラッシュは推進しています。
こちらをクリックすると、ラッシュが使用を禁止している農薬の一覧表(英語)を見ることができます。ラッシュは、お客様の安全のため、抜き取り検査を行い、資材に禁止農薬が残留していないかを確認しています。
2.6.1 ラッシュの禁止リストにある農薬・殺菌剤・除草剤を、ラッシュ向け資材の生産に使用することはできません。異なる商標、学名、一般名で偽装した同様の製品もここに含まれます。
2.7 森林管理 ◯
2.7.1 ラッシュが使用する資材を、さらに加工する際のエネルギー源として森林を活用する場合(蒸留に薪を利用するなど)には、サプライヤーは、実質的には森林伐採が行われないことを保証すると同時に、こうした資材の持続可能性について説明する必要があります。
2.7.2 作業は、鳥の営巣や他の主要動物の繁殖期を妨げないように行います(例:伐採を繁殖期以外に行う)。
2.7.3 サプライヤーは森林管理計画を作成し、関連バイヤーに提出しなければなりません。計画では、生産量の持続可能性と、利用する種が地域の生態系で環境に果たすより広範な役割について取り上げる必要があります。
2.7.4 サプライヤーは、当該森林地域には狩猟・射撃の権利が付与されていないことを確認する必要があります。
2.7.5 根茎を引き抜く(または樹木の伐採後に切り株からの萌芽がない)場合は、サプライヤーは「現実的な」植樹計画を策定しなければなりません。
2.7.6 原生林で根茎の引き抜きを行う場合、それが種子散布を妨げないよう、サプライヤーは徹底する必要があります。
2.7.7 樹液を採取する際、樹木にキズをつける方法を採用し、その樹液に由来する資材を納入する場合は、持続可能な採取計画をサプライヤーは関連バイヤーに提出しなければなりません。採取を行うことで、樹木の健康を損ねたり、樹木個体群の存続を危険にさらしたりすることのないよう、サプライヤーは徹底する必要があります。
2.7.8 組み替えや操作が行われた遺伝子を組み込んだ樹木の植栽をサプライヤーが行うことを禁じます。
3.0 公正なシェア
3.0 公正なシェア ⚫
3.1 サプライヤーは、ラッシュに納入する原材料のサプライチェーンについて、その透明性向上を推進する責任を負っています。
3.2 サプライヤーは、先住民と地域のコミュニティが自分たちの伝統的な土地を管理し、文化的アイデンティティを守るために有する法的・慣習的権利を保護しなければなりません。
3.3 サプライヤーは必要とされるあらゆる注意義務を履行し、該当する場合には、名古屋議定書を順守しなければなりません。サプライヤーは、この件に関し証明を求められます。
4.0 法的義務 ⚫
4.1 サプライヤーは、関連する全ての法的義務およびラッシュのポリシーを順守しなければなりません。ラッシュのポリシーに含まれる「反奴隷労働・人身売買」、「反汚職・腐敗ポリシー」他は、今後本サイトで公開予定です。
4.2 英国現代奴隷法(または現代の奴隷労働や、人身売買・奴隷労働に関連する違法行為に対処するための他の法令)、人権法、名古屋議定書、税法、環境法および、絶滅の恐れのある動植物を保護し、劣化する環境の再生を図るための、絶滅の恐れのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(CITES)の関連規定を始めとする法規に定められた法的義務を確認・順守するための体制を、サプライヤーは確立する必要があります。
4.3 法律に違反した場合は、ラッシュに直ちに申し出てください。
不正が行われているとの懸念がある場合には、[email protected]に通報してください。
本文書に関するご質問・ご意見は、[email protected]までお願いいたします。
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