ラッシュで働く理由
「⾃分が歩んできた軌跡を、次の世代に渡せるような緑豊かな道をつくる」
クリエイティブバイヤー CHIEMI
ラッシュにおけるバイヤーとは、ビジネスを⼟台とし、原材料の購買を通して世界をより良い場所へと変える改⾰者。環境やコミュニティに良い影響をもたらす⽣産者から原材料を調達することでは、より良い未来につながると信じているからです。つまり、バイヤーは、原材料の⽣産者の未来への熱い想いと、お客様とをつなぐ存在ともいえるのです。CHIEMIさんは学⽣の頃からラッシュの商品を⼀⼈のカスタマーとして愛⽤していたと⾔います。
「イギリスに住んでいた⼩さい頃、⺟にフレッシュフェイスマスクをプレゼントしてもらいました。その当時からラッシュの商品を当たり前のように使っていましたが、⾼校⽣の頃は限りある⾃分のお⼩遣いでロックスターソープを100gギリギリくらいで買っている時代がありました。お店の雰囲気やスタイルがその頃から好きでした」。
学⽣時代からラッシュのファンであり、「美しさに犠牲はいらない」という動物実験に反対するメッセージが⼼に響いたと話すCHIEMIさんがラッシュで働き始めたきっかけは何だったのでしょう。
「イギリスに留学していた⼤学⽣の頃、アルバイトを探していました。ちょうど私が住んでいた街にラッシュのショップがあって、テンポラリースタッフを募集していました。ラッシュが好きだったので、もし応募して落ちてしまったらお客さんに戻れないかもと躊躇しましたが、結局応募しました。実際に1⽇店頭に⽴って仕事をしてみて欲しいと⾔われ、商品の紹介やデモを⾏った後、ギリギリ受かったと連絡がありました(笑)。⾃分の好きな商品をお客様に紹介する事がとても楽しかったですし、何より働いていてとても気持ちのいい環境だったなぁ、ということを覚えています」。
テンポラリー契約終了後も⻑期契約スタッフとなったCHIEMIさんは、その後2年間イギリスのショップで働きました。⼤学卒業後、⽇本へ帰国し就職活動を始めたCHIEMIさんは⼤好きなコスメに携わる仕事を探していました。
「イギリスのラッシュで働いていた時は、今までお客様に『美しさに犠牲はいらない』というメッセージや、フレッシュなコスメの素晴らしさをずっと伝えてきたのに、動物実験を⾏っている他の化粧品を扱う企業に⼊社したとして、私は⾃分の⼈⽣に納得できるのかなって⾃分⾃⾝に問いかけたんです。そして、私は⾃分の好きなラッシュで働こうと決意しました」。
こうしてラッシュジャパンに⼊社したCHIEMIさんは、神奈川県にある製造拠点、通称「キッチン」のギフト製造スタッフとして1年半、次にメイクアップアイテムの製造スタッフとして働いた後、現在所属するバイイングチームに異動し、7年が経とうとしています。
「⽇本に帰国してラッシュジャパンの製造部⾨で働きたいと思った背景には、ショップで商品のことを伝える⽴場から、今度は”FRESH HANDMADE”という信念をもとに商品を製造することで、さらにラッシュの信念に近づきたいという思いがあったからです。約2年間、製造での経験を得ていく中で、”FRESH HANDMADE”な商品を実現するためには作り⼿もそうですが、その先の原材料がラッシュの商品に必要不可⽋なものだと実感し、その原材料を国内・海外問わず各地から探す部署であるバイイングチームで働くことに魅⼒を感じるようになりました。製造で⼀緒に働く⼈たちが、⾃分たちの作った商品により誇りを持てるような、そんな原材料や資材を探したいと思ったのが異動を希望した理由でした」。
バイイングチームに異動したCHIEMIさんは、豊かな地球環境や平和な社会を次世代に引き継ぐために活動している⽅々に出会う機会が多く、そんな⼈たちから多くのインスピレーションを受ける刺激的な毎⽇を送っていると話します。
「その反⾯、世界で起こっている環境や社会問題の深刻さを知る機会も増えるので、私には何ができるのかと考えさせられる機会も多くなりました。地球温暖化や海洋汚染などの問題は、すぐに解決できるような簡単なものではないけれど、バイイングを通して出会った⼈たちと⼀緒になって、もっと良くしようと⾏動を起こせる機会がラッシュにあると感じています。ラッシュで働いて、多くの⽅々と関わることで、いつか⾃分の辿ってきた軌跡を振り返った時に、緑豊かで、⾃信を持って次の世代に渡せる道ができているといいなと考えながら、今の仕事に向き合っています」。
そんな⿊澤さんには思い⼊れのあるプロジェクトがあります。
「⾃分が⼀から携わった商品が発売するまでは、どんなものだとしても今でもドキドキします。2014年にアトリエ・エレマン・プレザンの⽅々と⼀緒にKnot Wrapという⾵呂敷からインスピレーションを受けたギフトラッピング商品の企画を⼿掛けた時は、発売する前⽇に『これからたくさんの⼈の⼿に渡っていくんだなぁ。⼀⼈でも多くの⼈に使ってもらえますように!』と思いながら、興奮してなかなか寝付けなかったことを覚えています。この感覚は今でも同じで、⾃分たちが共感した⽣産者や団体の⽅々が⼿掛けた原材料が、商品に使⽤されてお客様に届いていることはとても喜ばしいことですし、原材料を⽣産している作り⼿から商品の作り⼿、そしてそれを使う⼈とすべての⼈が満たされるような商品づくりに携わることができることがバイイングチームで働く醍醐味だと思います」。
「バイイングチームに異動して、あっという間7年が経ちましたが、昔の⾃分では予想もしなかった経験や出来事の連続です。⾃然農法を実践している⽅から⼟と微⽣物の関係を学んだり、アフリカのザンビアに⾏き、現地で密猟の残酷な実態を聞いたり、放射能汚染という問題に⽴ち向かい福島の⼟地と地域を再⽣することを胸に菜種の栽培に⼒を⼊れる⽅の熱意に感銘を受けたりなど、そのすべてを私たちは原材料という形で⼈々に伝える責任と、そして何よりそれを伝えられる術を持っています。ですから、どういった⽅法で仕⼊れをすればお客様ダイ レクトにそのメッセージをお届けできるかを考えながら、仕⼊れ設計を⽩いキャンバスに絵を描くように作り上げていきます。だからラッシュのバイヤーはクリエイティブバイイングという⾔葉を使っています」。
いつもすべてが順⾵満帆というわけではありません。仕⼊れの設計時に思わぬハプニングが訪れたり、仕⼊れを始めた後も気候変動によって供給が不安定になるという原材料も少なくはないので、そのような壁にぶつかった時でも、柔軟に解決策を作り上げていけるのがバイヤーで、そういった意味もクリエイティブバイイングという名前に込められている、と語ります。
「たとえ失敗して全てを失ったとしても、再びやり直す権利がある」と謳うラッシュの信念と⾃分の信念がマッチしていることが、転んでもまた⽴ち上がる⼒になっていると話すCHIEMIさんは、バイイングチームで働く上で⼼がけていることがあります。
「私たちバイイングチームは、⼈と繋がる仕事だと思っています。農家さんや⽣産者の⽅とは信頼関係で成り⽴っている部分もあるので、⾃分の知識不⾜や経験不⾜が原因でつながりを持った⽅々に迷惑をかけてしまうことがないように、素直になんでも聞くようにしています。私たちは環境問題の改善に取り組んではいますが、エキスパートではないので傲慢にならずに素直に分からないことはどんどん聞いて吸収するように⼼がけています。知らないことをその場で聞いて経験に繋げられることは恵まれた環境にいると思いますね」。
イギリスのショップで働いていた期間も合わせて約13年間ラッシュで働き続けているCHIEMIさんに、ラッシュで働き続ける真意を聞いてみました。
「⾄るところに常にチャンスがあって、いろんな事が常に起こっていて、チャレンジができるので常にモチベーションを⾼く保つことができるんです。バイイングチームだと、ある時は原材料を求めて⼭を登ったり、試作品を⾃分たちの⼿で⼀から⼿作りしたり、砂から砂⾦を探すように途⽅に暮れる感覚もありますが、そこで⾒つけたモノが実際に商品になることにワクワクしたり、達成感に繋がっているのだと思います」。
「働き続けている理由はたくさんありますが、私は私⾃⾝の良⼼を常に⼤切にしています。会社のためにも環境や動物のために良いと思って働くこと。感動することとか刺激とかも⼤切だと思いますが、倫理的であることを追い求めていくことにゴールはないので、私にとって⼀定のところで終わりだと思わずに続けていくことができる会社だと思えることが、最⼤の魅⼒だと思います」。
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