公式声明文:LUSH UKによる過去の助成について
LUSH UKが過去に行ったチャリティプログラムを通じた助成において、トランスジェンダーの権利に反する団体に、ラッシュが意図しないかたちで寄付をしていたという事実に関して、2020年にLUSH UKが公開した公式声明文の日本語版を共有いたします。
英語の声明文はこちらからご覧いただけます。(You can see the statement in English here. )
なお、ラッシュのチャリティ事業は、各国の法人が独立して行っています。日本におけるハンド&ボディローション『チャリティポット』、ハンド&ボディローション『チャリティポット コイン』、パフューム『グラスルーツ』、ソープ『サンフラワーソープ』の売上げの全額(消費税を除く)は、厳正なる審査を実施の上、全てラッシュジャパン合同会社が独自に助成先を決定しております。同様に、LUSH UKの助成先はLUSH UKにおけるチャリティ商品の売上げの全額(消費税を除く)を、LUSH UKによる審査を経て、小さな草の根団体へ助成が決定されます。
※ 2020年11月30日と12月1日の2回にわたり更新された声明文です。
2020年12月1日更新
トランスジェンダー、及びアライの皆さま、ラッシュが、チャリティプログラムの助成先団体の選択に際し、過去に過ちが発生したことをお詫びいたします。
下記の2020年11月30日付けのステートメントは、実名も出ている二つの団体にラッシュが寄付をしたことが事実かどうかを問うSNSの投稿への回答です。この質問に関して透明性を持って明確な回答をしたいと考えました。
トランスジェンダーの権利に反するキャンペーン活動に対し、私たちが意図的に資金提供したのかというご質問に対しては、ラッシュの意図することではなかったということをお伝えします。またラッシュの助成金が結果的にこのような形になってしまったことを心よりお詫び申し上げます。
チャリティポットは以下のプロセスを経て、助成が決定します。まず、小規模な草の根団体より団体概要、キャンペーンや取り組みたいプロジェクトの詳細を添えて申請いただきます。その申請の際には、保証人となる推薦者二名のお名前を提出していただいております。ラッシュは、申請内容を確認し、推薦者に確認を取り、団体のホームページやあらゆるソーシャルメディアアカウントを必ず確認します。また可能な限り、団体に所属する人々の名前が確認できる場合には、個人のソーシャルメディアアカウントも確認した上で、審査会による審議を通じて最終的に助成の可否を決定しています。
全ての過ちをなくせるようなシステムは存在しないかもしれませんが、ラッシュでは今回の一件を深刻に捉えています。上記の助成に関しては、ラッシュが誇りを持つことができない活動に資金を提供してしまったと感じており、それについて全面的に謝罪します。今後は同じ過ちを犯さないよう、審査プロセスの強化を行ってまいります。
過去5年に渡りチャリティポットは514のLGBTQ+の団体に合計で160万ポンドの助成金(イギリスでの結果です)を提供してきました。ラッシュが願っていることは、トランスジェンダーの方々の安全や社会的受容のための活動、戦いに資金が必要な団体の助けとなることです。本件により皆さまがラッシュのチャリティプログラムへ申請する気持ちをそいでしまわないことを願っています。皆さまをがっかりさせたり、苦難の中で寄り添えないようなことは、決して私たちが意図するものではありません。
2020年11月30日公開
ラッシュのチャリティポット助成金を通じて、過去に行った助成に関する懸念をSNS上で拝見し、その懸念を払拭し、いただいたご質問にお答えいたします。
ラッシュは、本件に関してオープンであると同時に透明性を高めたいと考えておりますが、助成申請内容はプライベートかつ、機密性の高い情報を扱うため、詳細に関して全てを議論することができないこと、また全てを開示することができないことを、ご理解いただければと思います。
ラッシュは自らを、トランスジェンダー及びLGBTQ+コミュニティのアライの存在だと考えております。これまで、他の職場で差別を受けた方々を、常に安全かつ温かく迎え入れられる職場になるよう務めてきました。職場づくり以外では、世界規模でLGBTQ+に関する様々な社会問題に対して、その根本解決を目的にキャンペーンを行い、世界中の草の根団体を対象に資金提供を行ってまいりました。その中にはLGBTQ+、とりわけトランスジェンダーの方々が脅威にさらされ、殺害に遭うような状況において、安全な住居を確保するための資金も含まれます。ラッシュは、トランスジェンダーのコミュニティが直面する排除、偏見、脅迫、暴力について、胸が痛いほど状況を理解しており、他に資金や支援が得られない中でも寄り添えるように心がけております。
ラッシュは、女性の推進力が非常に高い会社であり、社内のあらゆるレベルで女性従業員が多数を占めています。女性が抱える葛藤は、解決からは程遠いこと、女性に対する暴力が未だ世界中で問題になっていること、そして女性差別や機会の制限が未だに世界中で根強く残っていることも理解しています。私たちは、ラッシュが企業として女性が最大の可能性を発揮できる、目に見えない壁の無い職場でありたいと考えています。これからも、ラッシュはチャリティプログラムを通して女性のプロジェクトを支援していきます。
イギリスでは、Gender Recognition Act(ジェンダー承認法)の改定を提案する公開討論が始まりました。その議論が白熱している状況、それにより分断が生じていることに、ラッシュは徐々に気づくようになりました。時が経つにつれて、その議論の両サイドから助成金の申請を受けていたことに気づきました。ラッシュでは、会社として議論の両サイド共に資金提供をすることがあってはならないと考えています。世界中の女性、及びLGBTQ+コミュニティのアライでありながら、会社自体はそのコミュニティのメンバーではなく、実際に経験や帰属により得られる専門知識や洞察を持ち合わせておりません。そのため私たちは、チャリティプログラムを通じてLGBTQ+、及び女性問題に取り組む草の根団体への資金提供、及び支援は継続しながら、Gender Recognition Act改定における特定の変更提案のためのキャンペーン活動や議論、ロビー活動は対象外とすることを決定いたしました。
過去二年間、私たちは資金が必要な社会課題に対して資金提供を行ってきましたが、申請団体を慎重に調べ、助成金の申請プロジェクト内容のみならず、申請団体が活動の中でいかなる有害な活動やヘイトスピーチに関与していないことを慎重に調べてきました。一つの団体は多くの人で構成され、個々人のスタンスや意見が団体のそれと全てが一致するとは限らない中でSNSが使われており、その確認が容易にいかないこともあります。私たちが目指すのは、当事者の声を持たない者として常に議論の外側に留まり、世界中の大切なLGBTQ+コミュ二ティへの資金提供、また困難な状況にある女性への資金提供を継続することです。
ラッシュは、SNSで指摘を受けた二つの助成プロジェクト内容を確認しました。一つは2017年後半、本件に関する議論が有害なものになっていることを意識する前、またこの件に関して規制を設ける前に申請されたプロジェクトであるということを申し上げたいと思います。二つ目は、女性に対する暴力と性暴力にフォーカスしたカンファレンス開催の提案であり、BAME(Black 黒人、Asian アジア人、Minority Ethnic 少数民族の総称)や国際問題への配慮がされているものでした。具体的な申請内容は低所得者や障がい者のための移動手段、英語を母語としない人のための翻訳、託児所の設置というものでした。
改めてラッシュのスタンスを明確にいたします。ラッシュはトランスジェンダーの権利が女性の権利の脅威になるとは考えておりません。私たちは、社会の中で権利と保護を必要とする全ての人に対し、それらが与えられるよう、社会構造が整えられるべきであると信じています。社会から追いやられている人は、本来与えられるべき保護のために同じ境遇にある他の人と戦う必要はないはずです。全ての人が恐れなく、平和に、最大限の可能性を発揮しながら人生を送るため、私たちは差別のない世界の実現のために共に立ち上がることができるよう、私たちのチャリティプログラムがこのビジョンの一助となることを願ってやみません。
問い合わせ
本件に関するお問い合わせは、ラッシュジャパン カスタマーケア(support@lush.co.jp)までご連絡ください。
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